講演 どうする?こんな時・・・

熊本県腎移植者の第29回総会 講演

「どうする?こんな時・・・」

                         尾 山 清 司

 

 今年度は、「どうする?こんな時・・・」と題して、熊本赤十字病院 レシピエント移植コーディネーターの杉本看護師に講演いだきました。

家康かと思ったのは私だけでしょうか?

冒頭に、家族等のことも含め自己紹介の話がありました。

日ごろは、熊本赤十字病院の移植外来で看護師として忙しそうに働いている姿しか知らないので、仕事を離れた家族のことなどの話を聞くとあーやはり普通のお母さんだなあということを感じました。

又、移植の仕事に携わって16年だそうですが、私も移植手術から今年で16年が経過しましたので最初からほぼお世話になっていることになります。

 

 本題に入り、どんな時にTEL.で相談したいと思いますか?

 1 熱が出た

 2 おしっこの時痛みがある

 3 下痢や吐いたりしている

 4 ピリピリした痛みがある

 5 薬を飲み忘れた

    についての話がありました。

 

 熱が出た際に、元気で食欲もあり水分がとれる場合には様子を見る又は近くの病院を受診することにし、悪寒を伴う熱があったり、ぐったりしていたり水分がとれない等の場合は移植で掛かりつけの病院に連絡し受診することにします。

 

 排尿痛がある場合は、膀胱炎が疑われ特に女性に多いということです。膀胱炎が悪化すると腎盂腎炎になることがあるので注意が必要です。

 日常生活では、排尿を我慢しないとか水分は多めにとるなど予防して注意しましょう。

 

 嘔吐、下痢の場合は、ウイルス性胃腸炎、細菌性胃腸炎などが疑われるのですぐに受診が必要です。

 嘔吐によって免疫抑制剤が内服できなくなったり、飲水ができず脱水になる可能性が高いので早めに受信し点滴を受けるなどの処置が必要になることがあります。

 

頭が痛かったり、肋骨あたりがピリピリする場合は、帯状疱疹が疑われます。

帯状疱疹は、皮膚科を受診することになります。

 私の経験談ですが、移植手術から3年くらいが経過したころ、夜肋骨あたりに激痛があり、朝まで一睡もできなかったことがありました。私はゴルフをするので肋骨あたりにヒビが入ったのかあるいは骨折しているのではと思い、次の朝整形外科を受診したところ、すぐに帯状疱疹と診断され皮膚科を紹介された経験があります。

 

最後に、お薬のことです。

免疫抑制剤を飲み忘れた時の対策、薬物相互作用という飲み合わせのこと、抗菌薬、抗真菌薬又は新型コロナウイルスの治療薬にも相互作用があるという話があり、大変役に立ちました。

 他の病院を受診する場合は、必ずお薬手帳・検査データを持参し免疫抑制剤を内服していることを伝えることが重要です。

 

今回の講演のなかで、これまでなかなか聞きづらかったこととか、日ごろから疑問に思っていたことが解消され大変いい講演だったと思います。

杉本さんも職務、家事などで多忙にも関わらず今回の資料作成などの準備に時間をさいていただいて誠にありがとうございました。